議会報告

令和5年第3回定例議会 決算特別委員会(福祉保健委員会所管質疑)

[ 令和 5年  9月 決算特別委員会-10月10日-05号 ]

◆青空こうじ 委員 私からは、口と歯と健康づくりの取組についてお伺いします。
社会参加、身体活動、栄養、口腔はフレイル予防の三本柱であって、これをバランスよく組み込んでいくことが重要と言われております。今回は、口と歯の健康づくりについて伺います。
今回、区から報告があった健康せたがやプラン(第三次)素案において、生涯を通じた健康づくりの十一の施策のうち、口と歯の健康づくりをその一つとしています。
その中で、口や歯の健康は、食べる機能や会話によってコミュニケーションを取る機能として、心や体の健康の土台となっているものです。全身の健康に影響することが分かってきていて、高齢化が進む中で、健康寿命の延伸のために、いかに口と歯の健康を保ち続け、生活の質を維持向上させていくかが重要な視点となっておりますと記載がありましたが、全くそのとおりで、口や歯を健康な状態に保ち、しっかりかんだり飲み込んだり、会話を楽しむことは脳への刺激にもなります。
私自身、お口や歯のケアは大変重要と考えていて、歯医者さんに定期的に健診に行って、歯磨き指導などを受けています。その歯医者さんは私と同じ年で、いつ行っても混んでいる人気の歯医者さんで元気をもらっています。
先日、高齢者のグループの活動に参加したときに、最近コロナが五類になり、ようやく参加してくれるようになった方が、前より滑舌が悪くなったり、食事会があっても食べるとむせてしまうのが嫌で、あまり食事を召し上がらない方が何人かいるという話を伺いました。
このように、お口の機能が衰え、食べることや話すことがうまくいかなくなり、栄養が偏ったり、人と関わることがおっくうになったりするオーラルフレイルという状態ではないかという声を聞くようになりました。
まず伺いますが、健康せたがやプランの口と歯の健康づくりの主な取組について、オーラルフレイル対策の知名度向上、啓発とありますが、どのような取組なのかお伺いします。
◎清水 世田谷保健所副所長 オーラルフレイルは、加齢により、口腔機能の低下から食物をかんだり飲み込んだりする機能が低下したり、滑舌が悪くなったりするなど口に関連する機能が低下し、心身の機能低下につながる場合があるなど全身の健康に深く関連している課題だと認識しております。
区は、高齢者がいつまでも住み慣れた地域で元気で生き生きと暮らすことを目指し、一般介護予防事業として、お口の元気アップ教室や、はつらつ介護予防講座等として口腔、認知症予防等を講話として実施しております。
また、すこやか歯科健診は、口腔の健康を維持することにより、栄養状態の改善や誤嚥性肺炎の予防など全身の健康づくりに役立ち、かむことで全身の健康づくりにつながるオーラルフレイル対策に取り組んでいます。
区は、オーラルフレイル対策の知名度向上、啓発と、医療と介護、医科と歯科の連携は重要だと考えております。現在区が行っている個々の取組を継続的、包括的に実施することにより醸成を図るとともに、他自治体の取組も参考にし、高齢福祉部など関係所管と連携し、効果的な啓発を検討してまいります。
◆青空こうじ 委員 次に、具体的な取組として、プランの中の主な取組にあるお口の元気アップ教室を、世田谷区と玉川の両歯科医師会に委託して、高齢者向けに実施しておりますが、どのような内容なのか、また多くの方に届くように、どのような周知啓発を行っているのか、併せてお伺いします。
◎望月 介護予防・地域支援課長 お口の元気アップ教室は、介護予防・日常生活支援総合事業の一般介護予防事業として、六十五歳以上の区民で口腔機能等に不安のある方を対象にしております。内容は、お口の働きについての講話、お口の中の検査、清掃方法の指導、お口や体の体操等について学ぶ全八回の体験型講座で、世田谷区と玉川の両歯科医師会でそれぞれ年間四クールずつ開催しております。
周知につきましては、各地区のあんしんすこやかセンターでの相談やケアマネジメントを通じて御案内しているほか、「区のおしらせ」や区施設等でのチラシ配布、社会福祉協議会のメールマガジン等で行っております。
◆青空こうじ 委員 引き続き、舌を含めた口の周囲の筋肉の衰えで起こるオーラルフレイルの方に届くような周知啓発に努めてもらいたいと思います。
続いて伺いますが、地域の中では、男性は特に年を取ると歯医者に行かなくなるという話も聞いております。歯医者に行かない、行くきっかけがない、おっくうであるといった方は口のケアがおろそかになって、口の健康が保てなくなっている可能性が多いです。
健診というと、区では、プランの具体的な取組もある成人歯科健診やすこやか歯科健診を世田谷区と玉川の両歯科医師会の委託で実施しておりますが、こちらについて、申込方法や周知啓発などをどのように行っているのか、これもお伺いします。
◎清水 世田谷保健所副所長 成人歯科健診につきましては、健康増進法や東京都の補助対象である四十、五十、六十、七十歳の区民に対して受診券を郵送し、加えて四十五、五十五、六十五歳の対象者には広報誌など制度周知を行い、申込制として運用を行っております。
また、すこやか歯科健診は対象者が申請をあんしんすこやかセンターやケアマネジャーに行い、受付対象要件確認後、区に送付され、その後区が受診券を発行し、あんしんすこやかセンター等から対象者にお渡ししています。
周知については、区報、ホームページ、区施設、歯科医院等に加え、今年度においては新型コロナワクチン集団接種会場や世田谷保健所主催事業である食と暮らしの健康フェスタなど、機会を捉えて周知しているところです。区民が口と歯の健康の大切さを知り、生涯にわたり自らの口と歯の健康づくりに取り組むよう努めてまいります。
◆青空こうじ 委員 区にはしっかりと周知啓発に努めてもらいたいと思います。また、特に男性は痛くならないと行かない方がたくさんいらっしゃいます。ぜひ多くの人に健康診断をしてもらい、口と歯の健康づくりに努めてもらいたいと思います。特に高齢者を代表して私が言います。ありがとうございます。
以上で終わります。
◆くろだあいこ 委員 子宮頸がんは、働き盛りの女性、これから妊娠を考える女性、子育て中の女性が発症する可能性が高く、人生に大きな影響を与えてしまうがんです。ただ、検診で早期発見し、早期治療をすることで治すことのできるがんでもあります。日本は、子宮頸がん検診の受診率も四〇%程度と低い傾向にあります。このことも子宮頸がん罹患者の増加に影響していると言われています。HPVワクチンと子宮頸がんの検診、どちらも併せて周知啓発、接種率、受診率向上を目指し、区として力を入れていただくよう要望いたします。
次に、健診についてもう一つ、今度は歯の健診について質問したいと思います。
ちょうどさきに青空委員の質疑でも触れられておりました。歯の健康が全身の健康につながるということは、青空委員のお話で既に皆様よく御理解されたことと思います。先ほどの答弁にもありましたが、世田谷区においては、成人歯科健診を四十歳から七十歳まで五歳刻みを対象として実施しています。また、七十五歳以上の方にはすこやか歯科健診という形で実施をしています。
そこで、まず質問です。成人歯科健診、近隣では、品川区、大田区、渋谷区では二十歳から、杉並は二十五歳から、目黒は三十五歳からを対象として、無料で対象者全員に受診券を送付する形で行っています。例えば二十三区内、四十歳から対象としているのは、世田谷区以外では、豊島区、荒川区、板橋区、葛飾区のみです。ほかは二十歳や二十五歳、三十五歳からが対象です。さらに千代田区は、十九歳から区民歯科健診を行っています。
そんな中、世田谷区では何と四十、五十、六十、七十歳にしか個別通知をしておりません。四十五、五十五、六十五歳の方は世田谷保健所健康推進課へ電子申請、電話、はがき、ファクシミリのいずれかの方法で申し込んで受診券を取り寄せてくださいとのことです。また、費用は二百円かかります。ほかに無料でない区は、新宿、中野、板橋のみで、ほかの区は無料です。さらに二十三区内、ほかの区で対象者全員への配付を行っていないのは、世田谷区以外で、新宿、中野、練馬、江戸川のみ、ほかは通知を行っているという状況です。
他区に比べ圧倒的に歯科健診の対象が少なく、通知も消極的だと思うのですが、これを改善していくことはできないのでしょうか。