議会報告

令和5年第3回定例議会 決算特別委員会(企画総務委員会所管質疑)

[ 令和 5年  9月 決算特別委員会-10月04日-03号 ]

◆青空こうじ 委員 一般質問に引き続き、ふるさと納税について伺います。
制度を利用する方が年々増加しているふるさと納税ですが、世田谷区では多大な税源流出につながる制度となってしまっています。改めて、世田谷区のふるさと納税の現状を教えてください。
◎北川 経営改革・官民連携担当課長 まず、区に頂いた寄附の状況でございますが、昨年秋に返礼品を拡充したこともあり、令和四年度は約二億八千六百万円の寄附を頂いております。これは、令和三年度に比べて約二倍の寄附額となってございます。
今年度に入ってからも、引き続き前年度の同時期よりも多くの寄附を頂いており、八月末までで約六千六百万円の御寄附を頂いている状況となってございます。
一方で、ふるさと納税による税源流出の影響額ですが、令和五年度は約九十九億円と昨年よりも約十二億円ほど増加している状況となってございます。
◆青空こうじ 委員 流出額が大きいのは憂慮すべきですが、寄附を昨年度よりも多く頂いていることで大変ありがたいことですが、これは年末に向かうほど、報道や広告の中でも目にすることが多かったような感じです。この十月からふるさと納税制度が改正されたこともあってか、既に目に留まる機会が増えているように思います。具体的にどのような改正があったのか、お伺いします。
◎北川 経営改革・官民連携担当課長 ふるさと納税の対象としての指定に際しまして、今回、幾つかの基準の変更がございました。例えば、もともと事務経費は寄附金額の五割以内という基準がございましたが、その事務経費に含めるべき費用に寄附の受領証明書の発行など、寄附の募集後にかかる経費も追加されました。
また、返礼品に関することにつきましては、食肉の熟成及び玄米の精白について、原材料が当該地方団体が属する都道府県内産であるものに限るとされました。これらの変更は十月より適用されております。
◆青空こうじ 委員 ありがとうございます。報道によれば、変更によって、例えば大阪の泉佐野市では、これまで扱っていた熟成肉と精米を十月以降には返礼品として取り扱えないほか、ほかにも根室では必要寄附金額の見直しに踏み切ったり、また、勝浦市では返礼品の内容量を見直すなど、各自治体は対応に追われているケースもあるようですが、区においても制度改正の影響を受けてしまわないか心配ですが、世田谷区の返礼品のラインナップにも影響があるのでしょうか。これもお伺いします。
◎北川 経営改革・官民連携担当課長 この基準の変更につきましては、繰り返しになりますが、事務経費に含めるべき費用に寄附の受領証明書の発行など、寄附受領後の経費が追加されたこと、また、食肉の熟成や玄米の精白について、原材料が当該地方団体が属する都道府県内産であることなどがございます。
現在、世田谷区が取り扱っている返礼品につきましては、現状では寄附金額や数量の見直し、また、この基準に抵触するものはございませんので、これまでどおり基準に合致した返礼品として取り扱ってまいります。
◆青空こうじ 委員 世田谷区の返礼品には影響はないとのことで一安心しましたが、ふるさと納税というと、どうしても返礼品に目が向かいがちですが、本来、この制度は、ふるさとやゆかりのある地域、自治体を応援することを目的に開始されたものですが、やはり自治体への寄附である以上、一般質問でも申し上げましたが、子どもたちの育成や、高齢者や障害者の方々に対する取組など、区民の困り事の改善や、暮らしをより豊かにする取組を充実するために寄附金を使うことは明確に示して、世田谷区ならではの事業に寄附を募るのも重要です。区の取組で言えば、特に児童養護施設の退所者等奨学・自立基金や医療的ケア児の基金も多くの寄附が集まっていますし、また、下北沢駅前の広場プロジェクトには、下北沢を愛する区民の方々のみならず、区外の方からも多くの共感をいただいています。また、八月には飼い主のいない猫対策などの動物に関する取組への寄附募集も始まっています。
このような取組は、これからもぜひ進めていただきたいと思います。来年には、区民の皆さんが楽しみにしていましたせたがや区民まつりのJRA馬事公苑での開催が復活します。例えば、この区民まつりなどに絡めた取組も考えられると思います。世田谷区の魅力や区の取組を多くの方に知っていただきたいと思いますが、区では、昨年十一月から区の魅力を全国に発信し、区への来訪を促す取組として、区内の有名店の焼き菓子、スイーツの返礼品を大幅に増やしていますが、今後も区への取組を応援してもらえるような寄附メニューを増やしてほしいと思います。
ただ、残念ながら、区外にふるさと納税をする人が多く、税源が流れてしまっているのも事実です。区では依然として流出額が増加し続ける中、ふるさと納税対策についてどのような取組をしているのか、お伺いします。
◎北川 経営改革・官民連携担当課長 ふるさと納税は、寄附金という歳入を確保するという財政面の効果だけではなく、多くの方に区の魅力や取組を知っていただくという点で、広報、PRとしても有効な手段であると考えております。
委員から先ほど御指摘があった世田谷ならではの取組として、例えば、児童養護施設退所者などや、医療的ケア児への支援、動物関連施策への寄附募集のような社会貢献型のプロジェクトについては引き続き進めてまいりたいと考えております。
また、多くの方が集まる場というところでは、今月行われる世田谷区たまがわ花火大会では無料観覧席を仕切り、ふるさと応援席として提供しておりますが、こちらは申込み開始二日間ですぐに上限数に達するなど、大変御好評をいただいたところでございます。
このようなものも含めまして、ふるさと納税を契機として区を訪れていただいたり、区の事業を知っていただけるような取組や、世田谷の魅力を発信していけるような魅力ある返礼品のさらなる充実などを進め、一層の寄附獲得に努めてまいります。さらに、区の現状や制度の問題点とともに、この制度を通じた寄附文化の醸成の重要性や意義を区の広報媒体などを活用し、引き続き周知してまいりたいと考えております。
◆青空こうじ 委員 これで質問を終わります。ありがとうございました。