議会報告

令和5年第3回定例議会 決算特別委員会(文教委員会所管質疑)

[ 令和 5年  9月 決算特別委員会-10月13日-07号 ]

◆青空こうじ 委員 先月の九月二日、東京都中学校PTA連合協議会の皆さんと一緒に、港区の赤坂学園を視察してきました。PTA連合協議会は、都内市区町村の中学校のPTAの組織で、例年、各自治体の施設を視察して情報交換を行っています。今年度は地元の港区の当番で、八王子市、三鷹市、荒川区、品川区、板橋区など、様々な地域から二十五名が参加して視察を行いました。
視察先の赤坂学園は、千代田線の乃木坂駅から徒歩四分程度の好立地にある六階建ての区立の小中学校で、令和四年六月に新校舎が完成して、令和五年度から小中一貫校の学校としてスタートしています。
赤坂にありながら、校内は、全体的にゆとりがあり、バルコニーつきの大型豪華客船のような外観で、学校らしくない印象を受けました。そして、校庭はもちろん人工芝で、サッカーチームのあの有名なマンチェスターユナイテッドのブランドと同じ素材を採用していて、学校の魅力の一つになっていました。また、中学校の修学旅行は海外のシンガポールを予定していて、これも学校の魅力の一つになって、赤坂学園の進学率も上がってきているということでした。
こうした従来の枠にとらわれない取組が、子どもたちや地域住民、学校や町の求心力につながると感じました。
学校は学びの場であって、そして災害時の避難所でもあります。また、スポーツや地域の行事など様々な機会を通じて幅広い世代が集い、地域の絆を深める場でもあります。地域の子どもたちが通い、地域の様々な方が利用して、住みたい、そして住み続けたいと感じる魅力ある学校づくりを進めていることは重要だと思います。
そこで伺いますが、一点目は、学校の人工芝について伺います。
赤坂学園は都心に立地していて、限られた敷地をフル活用するため人工芝化しています。ほこりは立ちづらく、日常のメンテナンスも容易で、雨の後でもすぐ使えるなど、たくさんのメリットがあることを伺いました。
人工芝にすることで、日常は学校の体育授業に使用、放課後や休日は地域利用を行っていて、フル活用できます。世田谷区でも人工芝をぜひ採用すべきと思うんですがいかがでしょうか、お伺いします。
◎髙野 教育環境課長 人工芝につきましては、令和四年一月にお示しした区立小・中学校の校庭整備における基本的な考え方において、他自治体等における採用事例も見られますが、整備費が増額になるとともに、自然環境への影響などが懸念されることを踏まえ、新素材の開発などの動向について引き続き調査検討を進めていくとしております。
その後、おおむね二年が経過し、一部のスポーツ施設では人工芝利用を検討していると聞いております。スポーツ推進部との情報共有に取り組むとともに、民間事業者等が実施している実証実験結果や環境に優しい新素材の開発などの情報を引き続き注視してまいります。
◆青空こうじ 委員 そんなことしていたら人工芝はできません。ぜひお願いしたいと思います。
区立の中学校の修学旅行について伺います。
先日、報道でも大きく取り上げられましたが、港区では、来年度から全区立中学校の修学旅行先をシンガポールにするということですが、赤坂中学校では、国内外の芸術、文化、経済など様々な分野に触れて、多様性を認め合い、本人としてのアイデンティティーを持ちながら、地球規模の視野を持ち学び続ける人材を育成することを目的に、海外も視野に入れながら修学旅行先を選定しているというお話を校長先生から聞きました。
世田谷区では、どのように修学旅行先を選定しているのでしょうか。現在の旅行先の実績と選定における課題について教えてください。
◎山本 教育指導課長 修学旅行は特別活動に位置づけられた旅行・集団宿泊的行事として実施しており、生徒が集団生活の中で、各教科で身につけた資質能力を総合的に働かせる場としており、旅行先は各カリキュラムと連動して選定されることになっていることから、最終的には各学校の校長が行き先を決定いたします。校長が決定する際には、高額な費用を各家庭にお願いすることからも、修学旅行をコーディネートする旅行会社の選定には保護者の代表も参加することが一般的です。
今年度の実績ですが、京都、奈良が二十四校、広島、京都が三校、長崎が一校、金沢が一校となっております。広島、長崎は平和学習、金沢は自然体験、環境学習をテーマとしております。広島を選択する際の課題としては、移動に時間を費やし活動時間の確保が難しくなることが挙げられています。長崎については飛行機を利用することによる費用面、金沢については現在特段の課題は聞いておりません。
一方、京都、奈良は、近年インバウンドの増加によるオーバーツーリズムの問題が挙げられていますが、長年積み重ねてきた実績があることや、グローバル人材の育成という視点からも、自国の歴史を知り、体験するためにも必要な経験であるという意見もあるため、京都奈良以外の行き先を選ぶ場合には、そのメリットについて、保護者等へ説明が必要であるということも聞いております。
◆青空こうじ 委員 修学旅行先として海外を対象とすることについては、先ほど答弁いただいたように、私費で行われることから、保護者の理解が必要だということは分かります。でも、区で補助することについても、世田谷区は規模も大きいですし、財源などについても様々な問題があって難しいと思います。魅力ある学校づくりのためにも、各学校が従来にとらわれない修学旅行先を選定することについて、教育委員会のお話を聞きたいんですが、お時間ですので、これで終わります。