議会報告

令和5年第4回定例議会 一般質問

[ 令和 5年 12月 定例会-11月30日-03号 ]

◆十六番(青空こうじ 議員) 令和五年九月三十日に成城ホールで認知症とともに生きる希望条例三周年記念のイベントがあって、私も参加しました。今回は、認知症を体験している方として、区内にお住まいで希望条例づくりにも関わった方が認知症とともに生きる希望条例がくれたものについて話をされました。その中で現在行っている活動として、小学校でのアクション講座などで、ありのままで自分を発信していますとか、私を支えてくれるみんなと私はフラットな関係ですといった御本人の思いを聞くことができました。ほかにも、太子堂、用賀、二子玉川のアクションチームの取組の発表や認知症の御本人同士のトークセッションなどがありました。

 区が現在策定中の第二期希望計画の目標についても、ぜひ区民の皆さんにも認知症の御本人の声を聞いてもらい、希望条例に掲げる新しい認知症のイメージを持ち、そして認知症になってからも希望を持って暮らせると思う人が増えるように、こうしたイベントのことなどを私自身もより多くの方々に伝えたいと思ったところです。

 そのイベントの帰りに、高齢のお母さんを持つ知り合いからこんな話がありました。九十歳の母がデイサービスに行っているのですが、とても雰囲気がよく、職員の人も優しいので楽しいです。でも、大好きなお風呂の時間になると気持ちが沈んでしまうと言っています。母は申し訳なさそうに、お風呂のときの介助の人が男性なので、本当は恥ずかしいと言うのです。職員もシフトの関係などで大変だと思いますが、何とかならないでしょうかという声を聞きました。

 一方で、別の方からは、認知症のお母様の相談を受けました。そのお母さんは介護保険サービスの訪問入浴をしている方ですが、女性スタッフが自宅に来てくれているそうです。お母様は体がふっくらとしており、大きいため、日頃から家族も介助が大変だとのことです。入浴介助のスタッフの一人が組み立て式の浴槽を車から寝室に運び、室内に給水します。その後、ベッドのシーツ交換と入浴後に排水して浴槽を車に戻す役割で、もう一人が体を洗い、体を拭いてから着替えの介助をする役割です。女性が運ぶと力が弱いからでしょうか、浴槽を運ぶ際などにお湯が床にこぼれてびしょびしょになってしまうことも度々あるということです。浴槽を運ぶ役割は、男性のほうが力があっていいのではないかと思うとのことです。

 同性の介助が望ましいという声がある一方で、訪問入浴は力が必要です。デイホームや訪問での入浴介助について、同性の介助、異性の介助など希望は様々なのではないでしょうか。福祉人材の人手不足の問題もあると思いますが、今回の二つのケースのような場合、入浴のときに解除を受ける側の気持ちを酌み取ってスタッフの手配などをしていただきたいというのが私の高齢者を代表してのお願いです。これは意見にとどめます。

 さて、一年くらい前でしょうか。私が持っていた携帯電話はガラケーでした。突然画面が白っぽくなってきて壊れかけたので、家族から勧められて、息子と一緒に携帯電話会社にスマートフォンを買いに行きました。これまでの古い電話は通話やカメラなどを使うときに利用していましたが、スマートフォンは様々な機能があるのに、なかなか使い方が分からず困っていました。

 そんなとき区報を読んでいたら、まちづくりセンターで高齢者のスマホ教室の案内があったので申し込んだのですが、残念ながらコロナで中止となり、しばらくして区報で案内を見つけたものの、今度は日程が合わず、いまだに行けておりません。

 そんな中で、あんしんすこやかセンターでも昨年度から高齢者へのスマホ教室を実施していると聞きました。あんしんすこやかセンターで実施している高齢者のスマホ講座ですが、昨年度から現在に至るまでどのように実施しているのか、回数や内容、推移について教えてください。

 続いて、高齢者向けの補聴器購入の助成についても伺います。

 先日、地域の高齢者の方から、最近耳が聞こえにくくなったので、今度補聴器を購入しようと思っているんだけれども、補聴器は値段がとても高くて迷っているとの話を伺う機会がありました。平均寿命が延びていて、長生きできるようになったことは大変喜ばしいことですが、年を取ることにより発生する聴力の低下は、長生きをすればするほど多くの方に訪れてくるのではないでしょうか。耳が聞こえにくくなってくると日常の会話がおっくうになり、外出も控え、高齢者の方の社会参加の機会を失うことにつながりかねません。非常に残念なことだと思います。

 補聴器を使うことにより、耳が聞こえにくくなった高齢者の方が聞こえの問題が解消できることで日常会話ができるようになり、また、外出して人と会うことで社会参加にもつながり、高齢者にとっても、より過ごしやすい明るい社会になってくれるとうれしいです。また、加齢性難聴は認知症との因果関係もあると指摘されていますが、耳の聞こえに問題がある高齢者の方が補聴器を適切にすることで認知症予防の一助になると期待しております。

 そこで、高齢者向けの補聴器の購入助成について、二点、お伺いします。

 まずは、補聴器の購入助成の検討に当たり、世田谷区においても令和四年度に実施した高齢者ニーズ調査・介護保険実態調査においても、高齢者の聞こえの実態と補聴器の使用状況について、高齢者の方にお聞きしたと伺っております。その調査結果について教えてください。

 それから、令和六年度から高齢者向けの補聴器購入費の助成事業を開始するということですが、これは大変すばらしいことだと思っております。多くの高齢者の方に御利用いただき、意義のある制度にしてもらいたいと考えております。区の見解をお聞かせください。

 以上で壇上からの質問を終わります。(拍手)

◎山戸 高齢福祉部長 私からは、高齢者の地域生活を支える各種施策の拡充について、三点、御答弁いたします。

 最初に、あんしんすこやかセンターにおける高齢者のスマホ講座の状況です。

 スマートフォンをはじめとしたデジタル機器は生活と切り離せないものとなっておりますが、高齢者にはデジタル機器に不慣れな方や抵抗感がある方も多く、デジタルデバイド対策は高齢者施策において重要であると認識しております。そのため、令和四年度より、あんしんすこやかセンター主催のデジタル関連講座を開催し、令和四年度は八十八回、令和五年度は十一月末日までに五十七回開催しております。開始当初はスマートフォンの電源の入れ方から始まるような初心者向けの講座を多く開催しておりましたが、今年度は初心者向け講座とともに介護予防を目的としたいきいき体操の動画視聴につなげる講座や、タクシーアプリやオンデマンドバスの使い方などの地域課題に即した講座などの開催が増えております。また、スマートフォンでの年賀状のつくり方など、この時期ならではの内容となるよう工夫しているあんしんすこやかセンターもございます。

 今後も、四者連携会議等で高齢者スマホ講座についても情報共有を図りつつ、ニーズを踏まえ、高齢者のデジタルデバイド対策に取り組んでまいります。

 次に、高齢者の耳の聞こえに関する調査結果についてです。

 高齢者にとって加齢に伴う聴力低下は、周囲とのコミュニケーションや外出を妨げ、また、認知症リスクとの関連性も指摘されていることから、補聴器の装用により聞こえのバリアフリーを進めることが重要であると認識しております。そのため、令和四年度の高齢者ニーズ調査・介護保険実態調査において、高齢者の聞こえの実態と補聴器の使用状況を把握するための設問を設けました。その結果、要介護認定を受けていない方で約三割、要介護認定を受けている方で約五割の方が、会話が聞きづらい、聞き取れないとの回答を得ました。また、会話が聞きづらい、聞き取れないにもかかわらず補聴器を持っていない理由を補聴器が高額だからと回答した方が、要介護認定を受けていない方で約一割、要介護認定を受けている方で約二割であったことから、補聴器の購入費用の助成を行い、聴覚のバリアフリーを進める必要があると考えております。

 最後に、高齢者の補聴器購入費助成についてです。

 高齢者を対象とした中等度難聴者のための補聴器購入費助成は、現在、令和六年度の実施に向け制度の設計を行っているところです。助成の要件として、対象者は中等度の難聴であると医師に診断された方のうち住民税非課税世帯であることとしており、助成額は五万円までとしております。また、補聴器の装用に当たっては、聞こえの状態の把握、適切な補聴器の選定及び適合調整等はもとより、購入後のアフターケアも含めた丁寧な対応が必要と考えており、制度設計に当たってはアフターケアも含めた知識や専門性を持つ技能者が在籍する店舗での購入の指定や、保健センターが実施している聴覚相談の御案内も併せて周知するなど工夫をしてまいります。

 高齢者が適正に補聴器を装用し、より社会参加が進むことで、自分らしく安心して暮らすことができるよう、医師会や保健センター等の関係者の御協力も得て、他自治体の事例も参考にしながら、より有効な助成事業とするための準備を進めてまいります。

 私からは以上です。

◆十六番(青空こうじ 議員) ありがとうございます。

 確かに、高齢者の方、耳が遠くなるということはよく言いますけれども、耳が遠くなると長生きするというふうに言うんですよね。でも、家でテレビを見ていると息子さんに怒られるそうです。耳が聞こえないからテレビのボリュームを大きくしちゃって、息子さんに怒られて、仕方なしに今回補聴器をつけることになったんですが、やっぱり補聴器もピンキリで、高いものから本当に安いものもあって、また、うまく自分に合うものもなかなかないということも聞いております。

 それから、私は、成城ホールの帰りにたまたまおばあちゃんが九十歳で、お風呂云々と言うのですが、やっぱり女性というのは九十歳になっても、お風呂は男性にやってもらうと恥ずかしいと言うんですよね。男の場合は女性にやってもらえば気持ちがいいとか、そういうこともあるけれども、女性と男性というのは、お風呂のときに本当に困るそうです。

 かといって、きたざわ苑なんかで聞くと、お風呂の場合、男性をお風呂に入浴させるのには一人じゃ絶対無理だと言うんですよね、二人でやらないと絶対無理だと。でも、なるべく、お年寄りですから、痩せた人もいるし、太った人もいるから様々なんですが、ぜひお風呂の場合、もうちょっと何か区で考えてくれて、女性は女性、男性は男性にやってもらえるような形を取ってくれたらありがたいと思っております。

 以上で質問を終わります。